1月23〜29日映画・テレビ鑑賞記録と「沈黙 -サイレンス-」の感想少し(※少しネタバレ)
やっと、今年初の映画劇場鑑賞。
題名のとおり、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙 -サイレンス-」を観てきました。
仕事終わりの金曜日、TOHOシネマズ新宿にて23時15分の回というド深夜に鑑賞。いつもなら行かない時間帯ですが、友人の誘いのもと観ることになりました。
スコセッシ監督作品といえば、上映時間が長いことで有名ですが、この映画も162分と結構な時間。それでも好きなスコセッシ監督だし、長いのは慣れっこ。さあどんな作品になるのやらと、期待に胸膨らませつつ上映開始。長い沈黙の世界が幕を開けました。
あらすじは、キリシタン弾圧真っ只中の江戸時代初期。主人公のポルトガル司祭が、渡日し棄教したと噂される師匠司祭を探しに自ら日本に向かうところから始まります。
旅の途中、中国で出会った日本人キリシタンのキチジローを案内人として雇い、主人公は長崎へ辿り着きます。そこで見たものは、主人公の信仰心を揺さぶられる程のキリシタン弾圧の現実が待ち構えていた。。。
※ここから多少ネタバレ含みます。
感想として、「信仰とは何か」が主題だと思います。
信仰とは所作や仕来りで示すものなのか。または心のみなのか。対比として、儀式や行いに厳格な主人公と踏み絵や十字架に唾を吐く、キリスト教への背徳行為を厭わないキチジローの行為が映画の肝となるシーンで映し出されます。
弾圧の中で、キリシタンとしての所作を貫き幕府に見つかってもなお、踏み絵をせず酷い拷問の末、殺されていく島の住民たち。生きることを優先し踏み絵を行うが、心の中では信仰を貫くキチジロー。
どちらが本物の信仰なのか。主人公は二つの間で揺れ動いていたように思います。
無宗教の僕は、殺されるくらいならキチジローのように踏み絵、十字架へ唾を吐く等の裏切り行為は楽勝だと思うのですが、長崎の信者たちはこれに抗いキリシタン狩りにあい酷い仕打ちを受け次々と命を落として行きました。なぜこれ程までに頑なに踏み絵等の「形」を守り、命を落としていったのか。
理由一つとして、パライソ(天国)に行けるという考えがあったと思います。どんな苦しい状況、弾圧のなかでも信仰という「形」を貫けば天国または極楽へ行ける(ここでは苦しみも何もないマックス幸せな状況とします)。その考えのもと、現実がいかに苦しくとも所作を守り、死ぬことが主人公そして弾圧を受けて死んでいった島のキリシタンの支えだったのでしょう。
一方、キチジローは違います。どんな背徳行為を重ねても告悔し、罪を清め生きていく。彼の中に信仰の末に天国という考えはなく、辛い日常を生き抜くための方法、言い方は悪いですが、都合よく信仰を使っていると感じました。
最終的に自分が得をする、ためではなく日常を生きることに信仰を使う。キチジローの行為は滑稽にも見えますが、僕には身近に理解できる信仰の姿だと感じました。
天国へ行くための信仰するのか「形」、悔いのない人生を送るために信仰を行うのか「心」。この映画に込められたテーマの気がしました。
スコセッシ監督はこの映画の解釈に20数年かかったようなのでより深いテーマがあると思いますが。。。僕はこの程度です。
しかし、上映時間162分は長かった。。。特に大きな山もなし、敢えてだと思いますがまさに「沈黙」ベースで物語は進みます。だけど題材が題材なので致し方なしとも。
万人にオススメ!とは言えませんが、観て損はない作品だと思います。
もちろん、デートには絶対オススメできませんw
という訳で、今週の鑑賞履歴一覧。媒体別に分けています。
Netflix
新しき世界
薄氷の殺人
複製された男
Amazonプライム
クリーピー 偽りの隣人
有田と週刊プロレスと
民放
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